Web野球教室は、非常に丹念なWeb解説メディアだ。このようなチュートリアル系のコンテンツには、オンライン・メディアの活用法として大きな可能性を感じる。
特に、まだまだ、文字と写真を費やしての解説が中心だが、今後はストリーム・メディアが威力を発揮することだろう。
スポーツ(に止まらないが)のeラーニングもこれから成長する市場と思える。

ところで、バッティングの原理について考えてきたことがある。
この「マサカリ木俣の…」のような、プロ(あるいは元プロ)の丹念な解説に耳を傾けていても、やはり解消されない種類のことがいくつも残る。
そのひとつに、「押し手」と「引き手」の機能上の差異がある。
これは、自ら右と左の両打席での打撃を実践してみて痛感する、バッティング上の根本原理に関連する議論だと思う。
私の場合は、右利きであり、当然、右打席に立って打撃を行うのが、ごく自然な流れ。
ただし、昨今の野球競技にあっては、右投げ投手との関係、そして1塁へと向かう走塁上のアドバンテージなどで、人工的に作った左打者が多くなっている。
私も、見よう見まねで、左打席にも立つようになってン十年経った。
右利きの自分が、左手で箸を持つようなもので、最初の頃は、あり得ないことだが、自打球を顔面に受けたりもした。
それはともかくとして、左打席で打ってみたいという思いの向こう側には、王貞治、ウォーレン・クロマティ、そして淡口憲治など、往年の左打者が存在する。
いずれも円熟味が増した時期には“広角”な打球を放つようにはなっていたものの、本質的な魅力は、ライト方向への低くて強い弾道の印象である。
このラインドライブ系(高く上がらず、ライナーで伸びていく種類の打球、もしくはその弾道)の打者は、単なる打者の特性というより、左打者に多いとの印象を残す。
自分自身を観察しても、左打席での打撃では、慣れてくるまでの長〜い期間を除けば、強い(?)打球が、低くかつライン際に多く出るようになっているのだ。
左打者の多くに共通する性格をどう考えればよいのかは、長い間の私にとっての宿題だった。
最近、本「Web野球教室」を読んでみて、木俣氏が用いていた「引き手」「押し手」の概念を使えば、一歩二歩先へ進めると納得した。これを簡略に書き留めておきたい。
まず、「引き手」とは何か。打者にとってピッチャーに近い方の手である。左打者にとってはすなわち「右手」である。
「押し手」は、その逆である。
少しでもバットを振ったことがある人なら理解するが、引き手は文字どおりバットを振り抜くための初動を担う。
木俣氏のリクツでいえば、ボールを遠くに飛ばすには、引き手では足らず押し手がフォロースルーという点で貢献することになる。
すなわち、引き手も押し手も、ボールを遠くまで飛ばす役割を共有させられているのである。
また、的確なボールへのコンタクトのために、引き手の肘の使い方などに言及されている。
私に言わせると、プロ独特の矛盾にみちた議論である。
つまり、引き手も押し手も、ボールを遠くへ飛ばすための協力をし、また、ともにバットコントロールを行うのだろうか?
引き手と押し手の両概念は使えるものだが、議論の構成は、やや異なるものと言いたいのである。
私の仮説は、引き手はインパクトに向かうバットのスイングスピードを導く。この点で木俣氏らと大きな違いがあるわけではない。
問題は、押し手の理解である。こちらは、バットがボールに的確にコンタクトをするための“コントロール”を担う、と理解すべきなのである。
省略して言うことになるが、人工的な左打者の場合、引き手は利き腕である。すなわちインパクトに向けた力を発揮しやすい組み合わせとなる。その結果、強い打球が飛び出しやすいのではないか。
他方、押し手は左手であり、それはコントロールの役割を担うが、こちらは自然な利き腕が果たす能力より劣る組み合わせである。
このように仮説を持つと、(私が印象として持っている)左打者の多くが、強い打球についての特徴を持ちながら、ヒット範囲が比較的狭い(反対方向へのヒット少ない)ことの背景を説明しやすくなる気がする。
自身の実践的経験でも、右打席であれば柔軟にボールとのコンタクトができる反面、左打席に比べてややインパクトが劣後するケースが多いのである。
引き手はインパクトの力に寄与し、押し手はコンタクトのコントロールを担う。
むろん、木俣氏が語るように押し手が協力して大きなフォロースルーを生み、打球を遠くへと飛ばすという点を、否定するものではないのだが。
つねに、学びのあるのが歌田氏の論考。
この「コンテンツ・メーカーがコンテンツ流通・配信会社に勝てない理由」は挑発的な論考であり、佐々木俊尚氏の議論とも通じるものがある。ぜひなにか発言をしてみたいと思っているのだが。
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Webを通して、書きたいことを思いつくと、ハートレイルズ社のWebサービス「kowt」でクリップし、Voxに投稿する。
このVoxでは、投稿した記事の公開範囲を「自分だけ」とすることができる。
これまでは、推敲しなければならない記事はまず非公開状態としておき、自身の考えを書き加えた上で、「パブリック」とするのが常だった。
最近、このクリッピングしたまま「公開」せずに放置してしまうケースが多くなっていることに気づいた。
twitterのように、投稿公開に至る敷居が低いものを利用し始めたためか、自分の考えを文章にしてから…と思ったものは、おかげでどんどん置き去りになっていく。
これではいけないと思っている。
そこで、クリップしたままの状態でも「公開」してしまうこととした。
ヘンに中途半端な付加価値を付けていない情報だから、引用原典を損ねてはいないのだと割り切った。
というわけで、乱暴ながら、引用箇所だけしかない情報でもブログとして公開してしまうことにした。
kwoutは優れたツールで、Webで引用したい箇所を矩形で範囲指定して、画像としてクリップする。
が、引用された情報には記事へのリンクやタイトルなどが付される。また、引用箇所に含まれるリンクも生きる。引用は画像として正確に転写され、原典との関係は消えない。原典と引用者とのきちんとした関係が保持されるわけだ。
そうは言っても、ちゃんとブログを書かないと、自分の思考が前へ進まない。
少しずつであっても書き続けていくつもりではある。






